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    桑田真澄の球道即人道

    PROFILE

    1968年4月1日 大阪府出身
    PL学園高時代 5大会連続甲子園出場 優勝2回 準優勝2回 ベスト4 1回
    甲子園通算20勝(3敗)、6本塁打
    1986年東京読売巨人軍入団
    通算173勝141敗14セーブ
    沢村賞。MVP、最優秀防御率他、数々のタイトルを獲得
    2007年ピッツバーグ・パイレーツ入団
    2008年現役引退
    現在は講演活動や野球教室で全国に足を運びながらアマチュア野球の 現状を分析。野球界への恩返しを目的としNPO法人アミーチ・デル・ クオーレを通じ、精力的に活動。 また東京大学大学院の研究生でもある。



    【vol.5】『子育て』(2015.1.21)

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     長男の真樹が、ルートインBCリーグのドラフト会議で2位指名して頂き、新潟アルビレックスへ入団することになりました。 小学校から野球を始めて、中学、高校、大学、社会人、プロと、ステージが上がる度に野球を続けられる人はどんどん少なくなる。 大学を卒業してもなお実力のある人たちの中で現役として野球を続けられるのは素晴らしいこと。

     今年も、彼が野球を続けてくれることをとても嬉しく思っているんだ。「桑田の息子」と言われながら野球をするというのは、僕も体験したことのないプレッシャーだからね。親である僕自身も、気づかないうちにプレッシャーを与えているかもしれない。もちろん、いいこともあるかもしれないが、想像以上に大変な ことがたくさんあったと思うよ。    
     高校時代は特に、僕の実績と比較されたら誰だって落ち込むよね。いろんな葛藤があったと思うけど、今年も現役選手として、さまざまなことを学んでほしいと願ってるよ。
       
     僕には二人の息子がいる。    

     彼らには、小学生のときには強制的に野球をやらせた。なぜなら、子どもには強制的にやらせることと本人に任せること、その両方が必要だと考えているからなんだ。

     野球を通じて、挨拶や礼儀、努力すること、道具を大切にすること、助け合うこと、協力し合うこと、相手を思いやること、失敗から起き上がること、上下関係……いろんなことを学んでほしかったから、小学生の間は野球を強制的にさせた。そのかわり、小学校を卒業したら好きなことをすればいいとも言ってきた。だから、中学に入るとき、長男の真樹は野球を続けることを選んだし、次男の将司は音楽の道を選んだ。それでよかったと思ってる。 その後も真樹には「野球はいつ辞めてもいいんだからな、自分の人生だから好きなようにやれよ」と言ってきた。同時に「辞めたかったら辞めてもいいけど、やり たいんなら、とことんやれ」「プロ野球選手になることが偉いわけでもない、ベストを尽くすことが大事なんだ」と話してきた。その結果、また次のステージへ 進んでくれたんだから、親として、こんなに嬉しいことはないよね。

     子供たちに、やらせることも大事だけど、見守ることもそれ以上に大事なんだよね。

     ほら、「親」って漢字は、「木」の上に「立」って「見」るって書くでしょ(笑)。そっと見守ることも親として大事な役目だと思うんだ。

     野球の世界って、まだまだ理不尽なことがたくさん残っている。真樹が高校へ入るとき、人生には理不尽な時期も必要だということを話して聞かせたことがあった。日本には兵役もないし、普通にいけば厳しく鍛えてもらえる時期も場所もない。でも男として、そういう経験は必要だと思うんだ。やっぱり、思い通りにいかない時期こそ強くなると思うから。ただ、理不尽な中にも、今の時代ならではのやり方があると思う。今は科学的なデータもたくさんあるし、理不尽だと思うことでも声の掛け方次第で違ってくる。「これは、このためにやるんだよ」「こういう理由で必要なことなんだからな」こんなふうに説明することで一見理不尽なことにも、こういうプラス面があると話して聞かせれば、頑張れると思うんだ。

     現役時代の晩年、僕は二人の息子にメジャーで投げる姿を見せてあげられた。そのとき、挑戦することの喜びと勝負の世界の厳しさを感じてもらえたんじゃないかと思う。 勝 てるのは一チームだけ、タイトルを獲るのも一番になった選手だけ。他の人は、敗者になってしまう。プロの世界では、そういう残酷さも味わってほしい。その 分、勝ったときの喜びはひとしおなんだ。真樹の夢がNPBの球団でプレーすることなら、いずれはその夢を叶えられるよう全力で応援したい。

     でもね、真樹の一番の応援者は、父親でも母親でもなく、兄弟でも、友だちでもない。 自分の一番の応援者は自分自身なんだよ。

     野球では、ピンチになれば代打やリリーフが助けてくれる。自分の人生には、代打もリリーフもいない。自分が頑張るしかないんだ。そして、自分が頑張っただけの人生にしかならない。そう心に決めて、充実した野球人生を歩んで欲しい。


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    構成/石田雄太
    プロデュース/市川光治(光スタジオ)





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