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 HIS×SOCCER KING ドルトムントの真実~Echte Liebe~

[vol.9]ドルトムントで再び存在感を示す香川…先発落ちの悔しさを胸に努力を続けた揺るぎない信念とは?(2016.4.28)



ヨーロッパリーグ準々決勝でかつての恩師ユルゲン・クロップ率いるリヴァプールに土壇場での逆転負けを喫し、ブンデスリーガのタイトルもいよいよバイエルンの手中に収まろうとしている。つまり、ドルトムントにとって優勝の可能性を残す大会は、5月21日に決勝が行われるDFBポカールのみ。一見モチベーションの低下が起こってもおかしくはないそんな状況の中で、しかし背番号23は再び輝きを取り戻している。

ボルシア・ドルトムント(イメージ)


思えば、2016年に入ってからの日本代表MF香川真司を待っていたのは、苦難そのものだった。ベンチ入りこそ果たしたが、胃腸炎を患い後半戦初戦の第18節ボルシアMG戦で今季初のリーグ戦不出場となると、第20節アウェーのヘルタ戦では「パフォーマンスの問題」(トーマス・トゥヘル監督)によりまさかのベンチ外。その後も先発と出場なしを交互に繰り返し、第23節ホッフェンハイム戦では珍しく「自分自身も危機感だったりいろんなものを持ってやってますし、やることを大きく変える必要はないし、前半戦に自分が積み上げてきたものもあるわけで・・・でもそれが後半戦(に入ってから)継続できてるかって言ったらそんなに甘くはないですから」と弱音を吐くことさえあった。

そもそもの発端は、トゥヘル監督がチーム内の状況を自ら壊したことにある。シーズン前半戦で機能していたシステムを変え、メンバーの固定もなくなり、指揮官の要求はさらに高度なものとなった。4-3-3の左インサイドハーフという新境地を開拓した香川も、手に入れたばかりの“安住の地”を奪われ、文字通り一からのスタートを余儀なくされた。だが、もちろんそれは他の選手にも共通することであり、試行錯誤を繰り返す中でもチームは失点を格段に減らしながら、無敗街道を突き進んでいた。香川にとっては忍耐の時だった。

ボルシア・ドルトムント(イメージ)


チャンスを待ち、自分を信じ続けながら練習に取り組んでいた成果が表れたのは、上述のホッフェンハイム戦から3試合ぶりのリーグ戦出場となった第26節マインツ戦。73分、ダメ押しとなる2点目を決め、実に11試合ぶりのゴールを記録すると、第28節ブレーメン戦では途中出場からわずか3分後に値千金の同点弾を奪いチームを勝利に導いた。そして第29節、宿敵シャルケとのレヴィア・ダービーでも芸術的なループシュートで先制点をマーク。ここ最近のブンデスリーガ6試合で4ゴールという、ハイペースで結果を残している。

ドルトムント在籍1年目に並ぶシーズン8得点目を決めた23日のシュツットガルト戦後、香川は数カ月前の状況を振り返りながら、こう話した。

「(ブンデスリーガとDFBポカールでは)今年に入って負けてないですし、その中で自分が出られない時期もありましたけど、やることは変わらなかったですし、現状を受け止めるしかなかったんで。まぁレベルも高いですし、そういうチャンスはなかなか・・・良い選手もいるので、どんなものにも対応してやっていかなきゃいけないという意味では、忍耐だったり、継続性が今になってつながってきたんだと思います。自分自身がやり続けてきたトレーニングや、チャンスを待ち続けたことも含めて、そこを信じてやるしかなかったので。でも気を引き締めて、あと4試合あるんでね。満足する必要はないですし」

いかなる時も最大限のパフォーマンスを求めるトゥヘル監督の下では、レギュラーポジションというのは存在しないに等しく、それが時に選手心理へ過度な負荷を与えてしまうこともあるのかもしれない。だが、その厳峻な姿勢が、ドルトムント、そして香川真司という男をさらに一段階昇華させているのも事実である。

今季の集大成となるDFBポカール決勝の相手は、あのバイエルンに決まった。果たしてトゥヘル・ドルトムントは、1年目をどのような形で終えることになるのだろうか。

ボルシア・ドルトムント(イメージ)



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