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セルジオ越後のぶった斬り

セルジオ越後

PROFILE

1945年7月28日、ブラジル・サンパウロ市生まれ。日系二世。
18歳でサンパウロの名門クラブ・コリンチャンスとプロ契約し、右ウイングとしてプレー。1972年に来日し、日本サッカーリーグ(JSL)初の元プロ選手として藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍。
2006年に文部科学省生涯スポーツ功労者、2013年に外務大臣表彰受賞。
現在はサッカー評論家・指導者。日本アンプティサッカー協会スーパーバイザー。株式会社栃木ユナイテッド代表取締役。

【vol.9】プロリーグをやるための世界的キャスティングが必要だ(2014.2.20)

オリンピックフィーバーでソチ関連のニュースが中心になっているこの時期、2月12日に来日したフォルランのことが報道されているのはいいことだね。僕のところにもセレッソ大阪のチケットはどうすれば手に入る?と聞いてくる人が増えていて、早速フォルラン効果が表れているよ(笑)
Jリーグは経済的スランプが続いているが、久しぶりの大物外国人の加入で3月の開幕以降の盛り上がりが楽しみになってきた。プロリーグをやっていくためには世界的なキャスティングが必要で、セレッソのフォルラン獲得がひとつの大きな方向性になってくれたらうれしいね。

フォルランの宣伝効果は計り知れない。観客動員は増えるだろうが、セレッソ大阪ホームの長居スタジアムの収容は5万人で、アウェイを含めても30試合程度と数も限られている。海外組をメディアがよく取り上げているけど、日本からすれば海外の観客動員数は関係ない。つまり、メディアがどれだけ取り上げるか、TVの視聴率やニュースで取り上げられる順位が上がってきたか、新聞で報道されるスペースが大きくなったか、そこに目を向けなければいけない。
視聴率が上がってくれば、セレッソの試合を民放が放送したいと言ってくるだろうし、そうなれば1試合の観客動員数が5万人になったということより、何百万、何千万もの人がJリーグを観戦することになる。それこそ経済効果と言えるものでしょ。

フォルランの恩恵により、柿谷曜一朗などセレッソ大阪の選手の年棒が上がる可能性もある。そうなれば子供たちのJリーグに対する夢が広がることにもつながるよ。また、他のクラブも打倒フォルランを目指し、世界的なキャスティングを行って海外の大物を獲得する動きが出てくるかもしれない。
昔のJリーグには何人ものフォルランのようなビックネームがいたけど、今のJリーグにはフォルランだけ。横綱が一人じゃつまらないでしょ。東西横綱ではないが、二人、三人と横綱クラスの選手がいれば、Jリーグも盛り上がってくるよ。それがプロリーグというもので、いまだに残っているセミプロ、企業スポーツの意識から脱却してほしいね。世界的なキャスティングという視点で投資をすれば、お金が戻ってくる可能性も大きい。それがプロ意識を持ったクラブの運営だ。

昨年、鹿島アントラーズで19得点を挙げた大迫勇也がブンデスリーガ2部の1860ミュンヘンに行って、デビュー戦でゴールを決めたけど、アントラーズのほうが強いんじゃないのかな? 厳しいことを言うけど、大迫の移籍は格下げで、これから活躍して大きなクラブに取ってもらえるかどうか、そこが一番重要なんだ。
メディアが海外組を大きく取り上げるから、ドイツの2部リーグでの活躍でもすごいと勘違いしちゃう。Jリーグとドイツの2部リーグを比べたら、どちらのほうが実力が上なのか。アントラーズと1860ミュンヘンを比べたらどうなのか。そのあたりを分析して報道するのが、本来のメディアの役割でしょ。

ソチ冬季オリンピックでもメダルを取った選手だけを大きく取り上げている。女子アイスホッケーで日本は3連敗したけど、どうして勝つことができなかったのか。負けた選手は何で勝てなかったのか。そこをしっかりと分析しないといけない。総合的に見て、4年前と比べて日本は弱くなっている。それは何で勝てなかったのかを分析してこなかったから。
2020年の東京オリンピックにはかなりの強化予算が組まれているようだけど、2016年のリオデジャネイロは何も考えてないの? 地元開催だからという考え方は、オリンピックを国体のように考えていることと同じでしょ。総合的に世界と戦っていくうえで何が足りないのか。メディアもそうだけど、それぞれの競技の組織としても分析していかないといけない。


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