10.20コロナ禍での2020全米オープン

前回の投稿から、全米オープンに出場し、その後の全仏オープンまでは海外遠征が続いたため、ブログの更新が遅れてしまって申し訳ありません。
ただ、その分、たくさんお伝えしたいことがあります！
約半年ぶりとなる海外遠征でしたが、今回から3回に分けて、全米オープン、欧州各大会、全仏オープンで感じた思いを振り返っていきたいと思います。

さて、日本では新型コロナウィルスも落ち着いてきた感じがあり、旅行や外食の機会も増えてきてると思いますが、ようやくテニス界も世界中で大会が再開され、僕の最初の復帰戦となったのは全米オープンでした。
アメリカではまだまだコロナが蔓延しており、渡米時も危険区域扱いでしたが、大会の開催に踏み切ったのはかなり勇気ある行動だと思いました。本来であれば、全米オープンの前哨戦となるシンシナティからの出場もあり得たのですが、当初自分としてはアメリカに行くとコロナに感染してしまうリスクが高いと思い、アメリカ遠征には行かない方向で動いていました。しかし、ヨーロッパのクレーコートシーズンの前に試合をしておきたいと思い、全米オープンのみの出場を決断しました。

正直かなり未知の状況で、どの様なコロナ対策を取られているのか把握できていなかった為、不安でした。実際今回の大会では、過去プレーしたことがある全米オープンとは全く異なる雰囲気でした。ホテルからの外出ができないのはもちろん、食事や大会会場、全てが違っていました。徹底されたコロナ対策だったので、正直息苦しさはありましたし、外に行くことができないもどかしさもありました。他の選手と一緒にいることも難しく、約1週間の間ずっと1人でご飯を食べたりしていて精神的にもしんどさが残る大会でした。

ですが、後に行ったヨーロッパ遠征のことを考えると、全米オープンのコロナ対策が一番良く、私たち選手のために最大限の配慮をして開催してくれた大会だと感じています。コロナ禍において最初に出場した公式戦だったこともあって不満も感じた大会でしたが、今では多くの選手が「全米オープンが一番良かった」と言っているので、難しい環境下でベストな対応をしてくれた全米オープンの関係者の方々には大変感謝をしています。

さて、肝心の試合の方は、アンディ・マレー選手と約4時間50分の激闘の末、負けてしまいました。2セットアップからの逆転は初めて経験しましたし、チャンスも多かった中で勝ち切ることができなかったのは気持ち的に辛かったですが、復帰戦でとてもいい試合ができましたし、今回の対戦で、BIG4と呼ばれる選手たち全員と対戦経験を持てたこともプラスに考えています。元々出場しないつもりでいた大会と考えると、とても貴重な経験ができました。
次回の投稿では、全仏オープンの前哨戦として自分が出場した欧州各都市での大会を振り返っていきたいと思います。